2011年12月5日月曜日

「寄付」と「寄附」

日本語には同音異義語がたくさんある。「みる」は「見る」「観る」「診る」「看る」などさまざまな漢字に使い分けられる。この場合、意味も異なってくるのでどのように使うかは分かりやすいが、意味もほぼ同じでわずかな差しかない漢字は、記事を書き始めて少しの期間しか経っていない私を苦しめる。使い分けが正しくできずに、真っ赤に修正されるのが常だ。

苦戦したのは、「寄付」と「寄附」。国税庁のホームページには「寄附」と書かれている。所得税法や法人税などの条文も同様「寄附」を使用。税金について書く時は「寄附」を使うのかと書いていたら、新聞協会では「寄付」で統一されているとのこと。記者の必携書である記者ハンドブックを見ると、そこでは特に使い分けに指示がされていない。ただし、「附」の漢字はあまり使わないとされている。日常生活では辞書代わりのように使っているウィキペディアでも念のため見てみたが、ここで「寄附」は誤字とまで書かれている。いよいよ混乱してきたが、本紙では「寄付」を、条文の引用のみ「寄附」を使うらしい。

お隣の国、韓国では漢字はほぼ使われなくなり、音で示されるハングルを使う。確かにハングルは画期的な文字だと思う。日本のように漢字やひらがなやカタカナが一緒に使われている文字文化を持つ国も少ない。こうしたミックス文化は個人的には好きだが、その判断は難しい。