2011年5月23日月曜日

真夏の節電対策でちょっとした心掛け

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、このままでは電気需要がピークに達する夏には電力が足りなくなる。政府が「15%削減」を目標にしているように、東京電力と東北電力管内の企業は節電対策が求められているところだ。

これまで、京都議定書に温室効果ガスの排出取引が規定されて国内市場が動き出そうとしても、環境に目を向けない企業が大多数に上っていた。だが今回は、未曾有の危機が日本中を巡り、それを受けて一致団結している姿が垣間見える。5月の時点ですでに対応に着手している企業も多い。東北や関東の住人は慣れ始めてきたかもしれないが、九州から都内に来た友人は、稼動していないエスカレーターや光を発していない電飾看板、「節電営業中」の張り紙などを見て驚いていた。

今夏はクーラーではなく扇風機を使おうと考える人も増えているようだ。わが家ではうちわが大活躍しそうだ。ほかにも、建築物の温度上昇対策として注目される「グリーンカーテン」を実現するために、キュウリやヘチマなどのつる植物をベランダで育てるのも有効だろう。それと、今夏は家庭用のかき氷器の購入を考えている。電動ではなく手動の製品を選ぶつもりだ。どれだけ節電に役立つのかは正直分からないが。

2011年5月16日月曜日

未来に続く伝統技術

東日本大震災では多数の文化財も被害を受けた。茨城大学五浦美術文化研究所六角堂は建物自体が津波で消失、都心でも江戸城跡の石垣が崩落するなど、広範囲にわたって被害が生じた。

文化財の修復に必要なのは優れた技術だけではない。古くから伝わる伝統技術を習得している人でなければ取り組めない作業だ。例えば多くの重要文化財は木造だが、近代建築が主流となった今、古くからの木工技術を習得している技術者は少なくなった。文化財保護のためにはそれを修復する技術も併せて保護・伝承する必要があるのだ。国は文化財の保存に欠くことができない伝統技術の保護にも予算を投入してきた。

税務関係の記事を書く中で各省庁の予算を目にする機会が多くなった。金額の大小に首を傾げることも多々あるが、数字の裏に隠れた事情を知ると、また違った感想を持つこともある。財政再建が叫ばれる中、現時点で必要なのかどうかで予算を判断しがちだが、「未来の日本をつくる」という意識は誰もが強く持ち続けるべきだろう。伝統技術は長い歴史の中で日本人が生み出してきた国の宝だ。その技術で守られてきた古の姿から現代の人間が学ぶことや感じることはいくつもある。過去、災害などの危機に見舞われながら幾度となく再建されてきた文化財の姿を思い浮かべ、前進し続ける思いを新たにする。