被災地域の税界関係者の無事を願いつつ、エヌピー通信社では地震発生直後から、販売課・広告課所属の営業局員が、可能な限りのあらゆる手段で、本紙読者の安否を確認している。
宮城の税理士、X先生もそのひとり。本紙の送付先の住所を地図上で確認すると、極めて海に近い沿岸部の住所だ。「無事ですよ」の元気な声を聞きたいが、電話はいまだに不通。地図で等高線を確かめると、海には近いがやや高台になっているようにも見える。
この住所を、今度は大手検索サイトが提供する衛星写真で確認してみる。ネットで見る東東北沿岸部の惨状は、衛星写真でも鮮明に伝わってくる。
「あった!」
広告課長代理のMが指さす画面上には、確かに先生の事務所の建物が健在だ。隣接するやや大きな建物は病院とのこと。あくまでも地球の真上からの画像で見た限りだが、この周辺エリア一帯で、ほぼ原形のままの姿をとどめて残っている建物は、どうやらこの2棟だけのようだ。
あの日、巨大な津波が押し寄せてきたその海に向かって、いまも凛と、「孤塁を守る」といった観で対峙する2棟の静止画像に、「先生は、きっと無事だ」と確信する。Mから吉報が伝えられたのは、その翌日のこと。
「X先生の無事が確認できました。ご本人のお名前でネットの災害伝言板サイトに『無事です』の投稿を確認することができました。メッセージには税理士とあります。この地域で登録している税理士に同姓同名は存在しないので間違いありません」
記者もそのメッセージを画面上で確認する。たしかに先生のお名前がそこにある。そして「税理士」の文字。ここにも、職業会計人としての責務と使命に誇りを持つプロフェッショナルの姿がある。
自らの安否を連絡する伝言板に、「税理士」と力強く打ち込んだその瞬間から、きっと先生の「復興」はスタートしたに違いない。困難に立ち向かう中小企業経営者と、それを強力にサポートする税理士を、本紙は応援していきたい。さあ、「反撃」開始だ!
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